hide Ja,Zoo

2. ROCKET DIVE
この曲で主題とされているロケットとは具体的にはどのロケットであろうか。まず思い浮かぶのは初の国産ロケットである「H2ロケット」である。本曲がリリースされた1998年はh2ロケットの実運用期間中でもあるので、十分にその可能性が考えられる。また、hideが所属するX-Japanのyoshikiが参加する”V2″  というユニット名にも近いものがある。いよいよH2ロケットであるという確信が強まったといえよう。
3. LEATHER FACE
ハイリスク・ローリターンとあるが、これは「ハイリスク・ハイリターン」から派生した概念である。普通は大きいリターンを目指して大きいリスクを負うのであるが、この主人公の場合は小さいリターンのために大きなリスクを負うというのである。これは、一種のリスク好きということである。リスクからくる緊張感そのものが本人にとっては必要としているものなのである。具体例としては学園祭で購入した食券をコピーして複製するようなことが考えられるだろう。
5. DOUBT’97(MIXED LEMONeD JELLY MIX)
曲調はダークな感じが、曲名に含まれる「レモネード」と対照的である。主人公はレモネードを愛飲していたのであろうか。


6. FISH SCRACH FEVER
魚という生き物の俊敏さ、ずる賢さ、はちゃめちゃさと、それを捕獲することを業とする漁師の若々しさ、活発さ、人の良さといったものがオムニバス的に詰め込まれた佳作である。懐石料理に出てくる魚ではなく、缶詰に入っている魚のイメージである。
7. ever free
バンドを構成する各々のパートが他のパートと息を合わせて演奏するという、バンドとして演奏する側の気持ちの良さが良い意味で伝わってくる曲である。そのような意味では、この曲をきっかけにバンドを結成したという例が少なくとも一つはあるのではと推測している。
8. BREEDING
この曲の主人公は虫である。どんな虫かというと、ホタルのような上品な種ではなく、どちらかというと”害虫”  のような汚らしい種である。小学校の時、国語の授業でハエの生命力がテーマの小説である”横光利一の「蝿」”  を学んだことがあるが、その蝿を思い出した。
9. HURRY GO ROUND
この曲は、最後の部分で曲が終わるかのように音量がフェードアウトしていくが、その後また音量が上がっていき、その後間もなく、再度フェードアウトして本当に終わるという、トリッキーな構成をしている。これは音楽学の面では興味深くはあるが、実際のところでは、カセットテープに録音して再生・早送りをした場合に、無音部分を曲の切れ目として誤判定されてしまったり、カラオケで歌った場合に無駄な演奏で場をしらけさせたりするなど、商業的なリスクをとることになる施策といえる。このようなことをするhideのチャレンジ精神の旺盛さがうかがわれる曲である。