波の塔 DVD

見どころ・注解

[2:57] 古代人の遺跡にある展示住居で田沢輪香子(桑野みゆき)が小野木喬夫(津川雅彦)と不意に遭遇し、絶叫する。この絶叫は、映画の序盤を華々しく飾り、この後のストーリー展開への期待をいやがおうにも盛り上げる名演技である。
[27:43] 温泉宿の主人が言う、温泉場から富士宮駅までの距離「6里」とは、約24キロメートル。(1里=約3.9km)
一方、現在の交通事情では、下部温泉元湯から富士宮駅への一般的な徒歩ルートは下図となり、42.2kmとなった。映画では山道を通っていたので、このルートとは異なると思われる。
[39:36] 女性3人が喫茶店で会話をするシーン。
鮮やかな黄色地に昆虫のような柄のティーカップが印象的である。
[41:41] 「興信所」とは、「探偵社」とほぼ同義。
[1:25:11] 冒頭の絶叫に続き、ここで田沢輪香子(桑野みゆき)がまたもや絶妙な演技を見せる。十分に感情のこもった「お父様を憎みます」という叫びにも近い訴えかけは、映画の終盤で疲れのみえてきた視聴者の背筋をピンと伸ばす。
[1:34:20] 新宿駅でのアナウンス「22:45発第三穂高号長野行き」は1967年7月時点で実在し()、大月には0:29、途中松本から普通列車になり、終点長野には7:58着とのことである。

総評

まず初めに、何とも愛さずにはいられない映画である。検事になりたての者が正式でない男女交際にのめり込んでいく様が、キャストの名演技と相まってすがすがしい感動を起こしてやまない。
法曹の関係者や受験生には特におすすめしたい。事件の取調べの場面もあるので、大変勉強にもなる。