MISSING PIECE 氷室京介

STAY
軽快な曲で、誰もが好きになるような曲調である。ほとんどの人はこの曲について好印象を持つものと思う。逆に、この曲を嫌いだという人を見つけるほうが難しいだろう。
この曲ではある街が舞台となっている。その街はナイフの風が吹く,乾いた街とあることから、風が強く乾燥した地域にある街であることがわかる。おそらく鳥取砂丘の辺りではないだろうか。また、はかない街ともあるが、これが何を意味するのかは、正直良くわからない。今現在も考え続けている最中である。
PLEASURE SKIN
この作品はある意味で問題作といえる。怪しげな歌詞が曲全体を覆っている。驚くのはそのひたむきさである。歌詞にカッコつけて飾ったようなところがなく、ただただひたむきに歌い上げるさまは、そのままずっと聴いていたい気分にさせられるものがある。
MISSING PIECE
とても氷室京介らしい曲である。旋律の動きの按配が、今までの曲からも思い当たる節が見え隠れするのである。恐らく、自分が本当に作りたい曲をなりふりかまわずに作ったものと思われる。この観点からすると、この曲は本アルバム中で最重要の曲と認定して問題ないものと思う。
魂を抱いてくれ(ALBUM MIX)
氷室にとってBOOWYは大きな存在であったに違いない。現実に、今までの曲にはどこかBOOWYの音片が混じっていたように感じる。ところが、ここにきて、楽曲のどの面を探してもBOOWYの面影は感じられなくなった。全くの原始から生まれた素の氷室のスタイルを認めることができる。その落ち着いて熟練したバック演奏陣に支えられて見事なアンサンブルを奏でている。氷室氏自身、この曲に対しては何か自分なりに想うところがあったのだろう。
IF YOU STILL SHAME ME
この曲に登場してくるとは主人公とどのような関係なのであろうか。親友であろうか、それとも彼氏・彼女であろうか。ヒントとなるのは戯れに傷ついた二人という歌詞である。おそらく、何かが原因で取っ組み合いのケンカをして負傷をしたのであろう。このケンカは悪い意味での内容ではなく、二人の信頼関係をより強固にする類いのものであり、実際にケンカの後は何ら遺恨を残すことなく、お互いの友情はより深まったことであろう。このように考えるならが、とは男性の親友を指すものと考えるのが自然であろう。
MIDNIGHT EVE(ALBUM MIX)
この曲の主人公は男前の紳士であろう。特に、歪んだ描写に出てくる沼田のイメージである。帽子をかぶったスーツ姿の紳士が客もまばらな酒場で外を見ながらウイスキーを舐めているようなシックな雰囲気が曲全体に漂っている。
NAKED KING ON THE BLIND HORSE
誘われてSUICIDE流行ものだぜとはたまげた。重大な意味をもつ歌詞を軽く歌いこなすのはプロでしかできないことだと思う。もしもこの曲を素人が歌ったならば、必ず歌の途中でどもったり、声が裏返ったりするに違いない。