これは大変な作品である。はっきりいって、ドラマのレベルを超えていると思う。アカデミー賞にも値するくらいの凄い作品である。全ての人間がその内面に抱えるエゴ、血統、魔、親子愛といったものが複合的・有機的・ドラマチックに再現された傑作である。また、作中の音楽が本作の全体を貫く緊迫感を支え続け、あっという間にエンドロールまで魅せてくれる。視後感は決して爽快とはいかず、しばらくの間は肩に重いものがのしかかっている状態が続く。そのため、本作を視るには一定の覚悟と心の準備が必要となるであろう。
参考作品
ドラマスペシャル 松本清張 鬼畜, テレビ朝日, 2017