疾風乱舞-EPISODE II- DA PUMP

亜流NOISE
ネタバレではあるが、DA PUMPの曲に三味線とは驚いた。ある意味、気分爽快な裏切りである。いかにも漁港の男といったエイヤといった掛け声とも相まって、ともすると国宝級の楽曲にもなりかねない愛国心が秘められているのが感じ取れる。さらに驚かせられることに、そのような愛国心の塊のような楽曲に対して「NOISE」というネガティブな語をぶつけたというその勇気である。アルバムの初めで、このアルバムにかける想いが真剣なものであることを宣布したということであろう。
琉 Style
この曲では、ダパンプの曲には珍しく、三味線が使われている。この三味線はダパンプ本人が弾いているのであろうか。ちょっと想像がつきにくい光景である。もしくは、音は三味線であるが実際はシンセサイザーの音ということであろうか。それはそれでリスナーとしては騙されているような残念な感がある。いずれにせよ、この「三味線」という要素がこの曲をただならないものにしていることは確かである。
You Are The 「ONE」
曲名の”ONE”が強調されているのは何故であろうか。それは、globeのyou are the oneとの混同を避けるためであろう。
Night Walk
夜に歩くというのは、一見すると退屈のようにも思える。まわりが暗くて景色を楽しむことができないからである。確かに、ハイキングのように景色を楽しむことが求められるような歩きの場合であれば、夜はお勧めできないであろう。しかし、それが勤め先や学校からその最寄駅までの歩行であったならばどうであろうか。勤め先ということであれば、ほぼ毎日同じ経路ということになるのだから、景色が見えることはあまり重要ではないであろう。そのことから、勤め先からの帰りの歩きについては、夜の歩行というのが立派に成り立つのである。
Silent Rain
ジャズのような、シャンソンのような、演歌のような、なんとも不可思議でジャンル不詳の楽曲である。「『ダパンプといえばこういう曲』というレッテルを貼られるのは御遠慮願います。」というメッセージを隠し持っているのがわかる。
Caliente Baile
曲名はスペイン語で「熱いダンス」の意である。その名の通り、ものすごい勢いのある曲で、ブラジルのサンバのカーニバルを髣髴とさせるものがある。いや、むしろ本場のカーニバルをも上回っているかもしれない。カーニバルが好きな人には特にお勧めできる曲である。
Get On The Dance Floor
大変躍動感のある曲である。また、曲中に使われている楽器も多種多様であり、ベース、ラッパ、ピアノ等々、何でも有りというオンパレード状態である。それはあたかも、日付の下一桁が特定の数値になる日に定期的に開かれる朝市における出店のバラエティーをイメージさせるものがある。朝市で良い品を手に入れて、一日の良いスタートがきれたときのような充実感を味わうことのできる貴重な曲である。
Riddim to Go
これはどうやらディスコが舞台のようである。そこで激しく踊っている様子を歌っているようである。この主人公は朝まで踊り続けると言っているが、それは凄く体力を消耗するのではないか。また、もうひとつ心配なのは、次の日が寝不足で辛くなるのではないかということである。ディスコも、早めの入場・退場を心がけるようにし、次の日に疲労を残さないように気をつけるべきというアドバイスを本曲に対して述べておきたい。
Make it hot '04
レベゼン琉球人の「レベゼン」とは、「代表して」、「~からやってきた」という意味である。
Cross Over
凄く巧みなスラップベースが聞ける曲である。このベースは一度聞くとずっと耳に残り続けるような、中毒性もあるもののように感じられる。このようにベースが凄い曲であるが、まずベース奏者を目指しているかたであればまずは聞いたほうが良いであろう。また、ベース奏者を目指していないかたであっても、ベースの凄さを見聞きするという意味で、一度聞いてみる価値は十分にあるといえる。
Your Song
アメリカ西海岸の近代的な高校の校歌に採用されてもおかしくないような、平和で牧歌的な雰囲気に満ちている。このような優等生的であり、教科書の答えのような曲をダパンプが歌ってくるとは意外であった。その点では、ダパンプが優等生的な音楽家という側面を開拓できたという金字塔とも評したとしても、それは決して大げさとはいえないだろう。
轍-WADACHI-
男らしい和太鼓の魅力がつまった曲である。ところで、様々ある楽器の中でも、和太鼓というのは案外所有している人は珍しいのではないだろうか。それは何故であろうか。まずは、値段がネックとなっていることが考えられる。和太鼓というと、1個数十万くらいするものというイメージがあるが、実際に調べてみると1万~2万円程度で手にはいるようである。
そこで、次に考えられるのが、練習場所に困るということである。和太鼓ともなると音が大きくなりがちなので、マンションやアパートなどで熱心に練習していると苦情が来ることだろう。

波風-NAMIKAJI-
これは沖縄の音楽である。沖縄とDA PUMPという組み合わせは、一見するとミスマッチのようにも思えるが、意外とマッチすることに気付く。